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改革を成功に導くためのノウハウ(2)2006/06/26客観的・論理的な議論を進めるにあたって、戦略策定では、戦略を策定する上で論理的思考を行う枠組み(戦略のフレームワークと呼ばれる)があります。戦略のフレームワークは論理的な思考を重視して考案されており、実績のあるものが多くあります。 ここでは一例として、SWOT分析をご紹介します。 SWOT分析とは、自社(内部環境)の強み(Strenth)・弱み(Weakness)、外部環境の自社にとっての機会(Opportunity)・脅威(Threat)を整理し、限られた資源をどこに投入するか<選択と集中>、すなわち企業が取り組むべき課題を見出す手法です。 以下に、地域密着型のスーパーマーケット(約20店舗)のSWOT分析の例を挙げます。 このフレームワーク自体、内部と外部、強みと弱みといった形で、自社を取り巻く環境をモレなくダブリなく記述する枠組みです。4つの軸で内部環境・外部環境を整理した後に、自社が将来どのような方向に進むかを検討します。 ・積極的攻勢:(S×O)事業機会(O)に対して自社の強み(S)を活かす ・差別化戦略:(S×T)脅威(T)に対して自社の強み(S)で脅威(T)を回避、または機会を創出する ・段階的施策:(O×W)事業機会(O)を逃さないよう自社の弱み(W)に対して段階的に適切な対応を行う ・専守防衛or撤退:(T×W)外部脅威に対して自社の弱みによって最悪の事態を招かないよう対処する このように、4つの方向性を検討することをクロスSWOT分析といいます。このようにして、自社の取り巻く環境を明確にし、自社が将来向かうべき方向性は何なのか、何に経営の力点を置けばよいのかを論理的に考えることできます。 ただし、いかな戦略のフレームワークも、それ自体万能ではありません。 SWOT分析では、「ここの店舗は車で行きやすい」「ここの店舗は駅から遠く不便だ」など、人(立場)や考え方によっては「強み」とも「弱み」とも捉えることができるように、主観的で基準がなく、分析の範囲や定義もあいまいになりがちですので、定量的な分析や長期的な戦略立案には不向きと言えます。 また、SWOT分析の結果を戦略立案に活かすにも、自社の強み・弱みを重視するのか、外部環境の機会・脅威を重視するのかで、戦略の方向性が全く異なることもあります。 つまり、SWOT分析は、自社の取り巻く環境について網羅的(大きなモレがない)に記述し、現状を整理しやすく理解しやすいという利点はあるものの、主観的であいまいになったり、日頃の問題意識が不足すると当たり前の結果しか出ないなどの欠点があります。また、SWOT分析はそれだけでは戦略の方向性を多くの人に納得し共感してもらうことが難しいツールと言えます。 SWOT分析は、多くの会社で事業戦略やマーケティング戦略の立案にて社内で活用されますが、本来、強み・弱みとは顧客や市場が評価するものです。重要なポイントは、いかに顧客や市場の評価の社内でウォッチできるか、またその評価の現実を直視できるか、といった点にあります。業界をリードしている勝ち組企業は「顧客や市場を創っている」ことも事実であり、事業の成功にはまず市場・顧客といった外部環境に目を向け、さらには外部環境の半歩先の変化に向けて行動することが重要と言えます。 SWOT分析の他にも、 ・3C分析:顧客・自社・他社の環境変化・トレンドの分析を行う ・5F分析:5つの競合要因から競争戦略を方向性を分析する ・ポジショニング分析:自社の事業・商品の置かれた状況・将来の方向性を分析する ・ポートフォリオ分析:製品・サービスの経営資源配分の方向性を分析する ・ビジネスシステム分析:ビジネスの一連の流れを応じて強み・弱みを分析する ・コア・コンピタンス分析:コア・コンピタンス(自社の武器となる能力)の優位性を分析する ・ABC分析・デシル分析:顧客・商品・チャネルなどの重点管理する範囲を分析する など、目的に応じて種々のフレームワークや分析手法があります。これらのフレームワークにも長所・短所がありますので、利用目的に合わせて使い分けることが大切です。詳細については割愛いたしますが、ご興味のある方は戦略論などの書籍等をご参考下さい。 前のページへ < (4) > 第3回「業務を分析する」へ > 経営コラム トップページへ |
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