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改革を成功に導くためのノウハウ(4)2006/07/10前回の「業務分析」では、新業務方針・新業務イメージといった具体的な改革の方向性を検証し明確にするステップでした。 「要件定義」では、新業務方針などといった目標をさらに機能レベルの集合、すなわち必要とされる機能を要件として定義します。「機能」というと難しいですが、「作業や処理の一つの単位」と考えて下さい。 改革の方向性や新業務方針が定義されており、丁寧に機能要件として定義し直すのは面倒に思われるかもしれません。実際に、方針が決まれば即設計・開発・導入するケースもよくあります。 では、なぜ時間と労力をかけて、「要件として定義する」意味があるのでしょうか。 「要件定義」するメリットは、「業務・システム・組織などを効率よく、かつ品質の安定したものを設計・開発・導入することができる」ことにあります。とくに、プロジェクトの範囲が広範で関係者が多い場合にはより重要な意味を持ちます。具体的には、 ・機能要件として定義することで、不足している機能がないかチェックができる ・機能要件として定義することで、ムダな機能や重複した機能をなくすことができる ・機能要件を文書化して定義することで、改革関係者の意志統一を図ることができる ・要求された機能群を実現することにより目的が達成できる ・テストや導入・運用ステップにおける評価指標に流用できる など、多くのメリットがあります。 例えば、新たな業務方針(取り組むべき課題)として「倉庫の在庫を毎日チェックして在庫水準を低レベルに維持する」を解釈する場合、 Aさん「倉庫の在庫を毎日数えるのかぁ・・現場は大変だろうなぁ」 Bさん「倉庫からの出入りの量だけ出荷・入荷表から計算すればいいんだろうなぁ。」 Cさん「在庫水準を低レベルに維持するってどういう意味かなぁ。毎日在庫量なんて変化するし」 ・・・ 当然ながら、人の解釈の仕方は異なりますし、まして、共同で改革を推進するにはまず意志統一が必要となるでしょう。結局、皆が同じように正しく理解できる言葉、すなわち要件として書き出すことが必要です。その後、皆でどのように実現していくか、実現方法を考える方が事がうまく進む場合が少なくありません。 ではどのような機能が必要とされるのか、といった具体的な機能をいくつか挙げてみます。 @ 倉庫の在庫量を確認する A 倉庫の安全在庫量を設定する B 倉庫の在庫量と安全在庫量の過不足を計算する C 在庫量の不足分を発注する ・・・ この段階では機能を誰がどのように業務を行うのか、もしくは、どういったシステムでどのように実現が可能となるのかといった実現方法といったことよりも、まずは業務方針(目的)がありきで、どのような機能が必要なのか整理することが重要になります。 上記の例の場合、「倉庫在庫を現場の人がすべて目視でカウントするのか」もしくは「倉庫在庫をリアルタイムで自動的に集計するシステムを構築するのか」といった点を議論する人がいます。たしかに、どのような実現方法があるのかといったことは重要ですが、原則として、まずは必要な機能をすべて書き出し、そこからどのように実現したらよいかを全体を見て判断することになります。 「要件定義」はいろいろな人が要件を読んでも同じように解釈できることを前提とし、できる限り わかりやすく「○○を××する」のように記述するように注意しましょう。要件定義の段階では、 要件によっていろいろな実現方法があっても構いませんが、要件自体が曖昧でいろいろな解 釈ができてしまうと、そもそも要件定義の意味がありません。 (1) > 次のページへ > 経営コラム トップページへ |
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